こだわりの酒蔵見学 取材報告2  (by えつこ)

新潟県弥彦村  弥彦酒造株式会社

第 1 話

 ♪ 明かりをつけましょボンボリに〜、お花をあげましょ桃の花〜、五人囃子の笛太鼓〜、今日は楽しい蔵見学〜♪
 いつものように無意味に陽気なえつこがお送りする酒蔵取材報告。今回は3年ぶりに弥彦村の弥彦酒造さんにお邪魔することにしました。以前お伺いしたときは酒屋に嫁に来て間もない頃、この業界のことは右も左も分からず、ただ主人に連れて行かれるままに見学させていただきました。あれから3年の月日が経ち、少しずつ知識と経験と脂肪を身に付け、一回り大きく成長した視点で再度、弥彦酒造さんのこだわりの酒造りを前回より詳しくご紹介したいと思います。
 3月3日。水曜日。今日は平日ですが弥彦酒造さんでは昨日、大吟醸酒の搾りを行ったということでその翌日にさっそくお邪魔して見学させていただくことにしました。
 どの酒蔵見学の時でもそうですが品評会に出品する最高級酒である大吟醸酒を造っているときは杜氏さんを含めて蔵人達の緊張感もピークでそんな時にお邪魔してご迷惑になってはいけません。そこでその搾りが終わるタイミングを見計らってお伺いしたのでした。
 午前8時40分に自宅を出発。当日は3月だというのに寒の戻りで小雪がちらつく寒い日でした。
    
 三条から弥彦に向かうときに目印となる大鳥居を通過して正面に弥彦山を目指して進みます。
    
 弥彦山には越後一の宮「弥彦神社」があり県内では有名な観光地となっていますが、その弥彦神社から山すそに添って右に少し行くと弥彦酒造があります。
    
 3年ぶりの訪問です。あいかわらずのアングルで写真を1枚。パシャ。

 ごめん下さいと声をかけるやいなや取締役営業部長で当店担当の大井さんが玄関まで出迎えてくださいました。これはこれはご丁寧に。ようこそいらっしゃいましたと挨拶を交わしながらさっそくですが着替えをしてくださいとのこと。実は前日の連絡で見学のメインとなるお米の蒸かしが9時30分の予定になっていたのです。
 私たちが蔵に着いたのが9時20分。そうです。また、ギリギリだったのです。
 さっそく案内された2階の応接間で白帽子、白衣、白ズボン、白靴下を出され、着替えが終わったら下で待っていますのですぐ降りてきてくださいとのこと。
    
 あわてて着替えを済ませ、下に降りていくと蔵内用のスリッパが準備されていてそれを履いて、いざ見学開始です。
 蔵にはいるとまず手洗い。オスバン液という消毒液に手を浸してお湯で洗い流します。
 見学はまずお米が蒸し上がる様子から見せていただきました。そのあとは順次色々な場所を見せていただきましたが今回はその見学順ではなく、お酒の製造工程の順に従って編集してお伝えしようと思います。
 それではまず仕込み水の説明から始めます。
      
 ここでは仕込み水は蔵の中にある井戸から汲み上げた井戸水を濾過、除菌してから使用します。
 この蔵のある場所は弥彦山のすそ野で、山に降った雨や雪が伏流水となって地下を流れているのだそうです。
 古くからこの弥彦一帯は陸地で、大昔、信濃川の流れで運ばれてきた土砂が堆積して越後平野を造り出す前は弥彦は日本海に浮かぶ島でした。それが平野の形成と共に陸続きとなった場所で、もともとここは硬い岩盤でできているために地下水がその岩盤表面の浅い部分を流れるそうです。
     …第2話につづく…

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