初めてのウイスキー蒸留所 報告記  (by えつこ)

山梨県白州町  サントリー白州蒸留所

第 11 話

 ちなみにサントリーでは(ピュア)モルトウイスキーは「白州」、「山崎」など。ブレンデッドウイスキーは「響」、「ローヤル」などが有名です。
 そういえば試飲している最中に案内嬢が、先ほどの発酵槽の桶の直径の質問に答えるために私たちのテーブルに来て4.5mと教えてくれました。その他にもご質問や不明な点などありましたら何なりとお尋ねしてくださいとのこと。ご丁寧にわざわざどうもありがとうございました。
 さて、見学者たちは次の予定でもあるのか、飲むだけ飲んだらさっさと会場を後にして入口近くのショップの方でおみやげの物色です。白州工場にしかない限定ウイスキーなど主にウイスキー中心のおみやげが並んでいます。私達はさすがにウイスキーをおみやげにすることはできません。そこでまだまだお勉強は続きます。
 私たちは一度建物の外に出て見学コースには入っていないウイスキー博物館に行ってみることにしました。
 その途中、セミナールームの脇を通ったときに中で20〜30人の人がテイスティングの研修をしているのが見えました。これに参加できればもっと勉強できたのにねと主人が残念そうに言います。とりあえず博物館も勉強のひとつです。行ってみましょう。
 この博物館は1979年にサントリーが創業80周年を記念して白州蒸留所内に開設したウイスキー専門の博物館です。外観は山崎ウイスキー蒸留所の初期に使用されたキルン(麦芽乾燥塔)をかたどっています。館内には日本のウイスキー造りの過去と現在をわかりやすく展示。そのほか色々展示物があります。

 それでは中に入ってみましょう。入口を入ると大きなポットスチルが正面にあります。実はこのポットスチルこそが日本のウイスキー造りの歴史の始まりです。
 創業者の鳥井信治郎とサントリー創業の昔が偲ばれる数々の遺品や、発売当初の「白札」、「オールド」のボトルが展示してあります。
 その奥が展示室2。ここでは一粒の麦が琥珀色の一滴に生まれ変わるまでの神秘に満ちた工程を、精巧な模型や写真、実物などを用いてわかりやすく解説してあります。
 2階が展示室3。ここでは科学では解明されていないウイスキー造りの秘密を手塚治虫さんのイラストで楽しく紹介しています。  
また、錬金術を再現したしたコーナーでは、醸造酒から蒸留酒を生み出した中世の技術を伝える往時の蒸留釜や道具の複製品があります。
 3階は展示室4と5があります。展示室4では風土と歴史に育まれてユニークな個性をつくってきた世界のウイスキーの豊かな歴史を紹介しています。
 展示室5では昭和30年代の「トリスバー」をはじめ、パリのカフェやイギリスのパブなど、世界各国の酒場が復元されています。その他お酒と人とのかかわりに関する資料やコレクションが展示してあります。
     
      …第12話につづく…

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