初めての「きき酒会」 取材報告  (by えつこ)

越乃白銀会主催 きき酒会

第 9 話

団体戦のじゃんけんで負けて2位でしたが個人優勝とを含めて最高のチームでした。まさかここまで優秀な成績を収めるとは誰も予想していなかったものですからチームのみんなは大喜びです。最後にみんなで記念撮影です。
    
こうして見ると、どうしても米田さんが真ん中にいますね(笑)。
さて、きき酒会のレポートはこれでおしまい。皆さん上機嫌で、来年も参加しようねと話しています。また、きっと来年は第3回があると思いますのでご希望の方は当店までご連絡下さい。ご一緒させていただきます。
さて、今までにメールを通じて多くのお客様とコミュニケーションを図るようにさせていただいて、案外、このきき酒についてどのようにしたら良いかとご質問があります。そこでこの機会に、わかりやすくご紹介したいと思います。
それでは、主人にバトンタッチ。
交代しました。いつも、つたない文章に最後までお付き合いいただきまして誠にありがとうございます。
それではなるべく簡単に「きき酒のコツ」ということで、ご紹介したいと思います。ただし、お断りしておきますがこれからご紹介する方法はあくまで私流ということで、正式にこういう方法があって、それを正しく教えるというものではありません。言うなれば文献と蔵元での実地に経験したことを自分なりにまとめてみたという内容ですのでご了承下さい。
   きき酒のコツ
●コツの1ー目、鼻、口の順序
通常私たちのきき酒の場合は専用の「きき猪口(ちょこ)」を使います。まずそれでお酒の色を見ます。濾過をする前の生原酒などは青ざえしたごく淡い黄色を良しとしています。ただし一般市販酒となると活性炭を使って色を取ってしまう場合が多く、ほとんど水に近い色ですが、ほんのりとでも色があったらまずチェック。メモしましょう。
次にワインのテイスティングに使われる方法ですが、お酒の入った猪口を向こう側に傾けて、すぐに戻します。

すると猪口の内側にお酒がつきます。そのついたお酒の様子を見ます。全体にいつまでも猪口の内側についているとそれはアルコール度数が低いか、又は糖分が多いお酒です。逆に、すーっと何本もの糸を引くようにお酒が下がる場合はアルコール度数が高いお酒か糖分の少ないお酒です。
次に猪口の中でお酒をくるくる回し、眠っている香りを揺り動かして起こしてから香りを嗅ぎます。この時の香りを「上立ち香(うわだちこう)」といいます。吟醸香などがこの時に最も感じます。しかし、ここで「いい香り」ではまだまだ。もう少し自分なりに詳しく香りの性質や強さを分類し記憶します。
次にお酒を口に含みます。一般にきき酒をするときに遠慮して少ししか口に含まないようですが、適量は3〜6mlです。そして、お酒を口中に入れたならば、軽くすするようにしながら舌の全面にお酒をまわします。舌はその場所によって感じる味の強さが違います。味は口中のどこで、どんな味をどれくらい、どんな風に感じたか、この時に判断します。
味を見ると同時にお酒をすすります。ズズズと音を立てるようにしてすすることでお酒を口の中で空気に触れさせて、お酒の揮発性物質を口の中に充満させ、それを鼻から出すようにします。
この時に感じる香りが「引きこみ」「口中香」「ふくみ香」といい、大切な余韻の香りとして重要です。
最後に口中のお酒を吐き出すか、飲み込むかしますが、その後に感じる「あと味」にも充分注意します。
この「あと味」には、苦味や渋味が感じられる事が多く、それらが長く残るものは良くありません。また、「あと味」が早く消えすぎて弱々しいときは「シリがピンとしていない」とか「シリがボケている」「オシがない」などと表現します。
●コツの2ーまず良いものを知る。
良いといわれるお酒を充分に理解することがきき酒上達法の第一歩です。ただし、良いお酒というのは唯一つではなくて、お酒のタイプごとに各々良いお酒があります。決して名前が売れているとか、手に入りにくいなどのお酒が良いお酒というわけではありません。
    …第10話につづく…

第8話にもどる        第10話にすすむ