初めての酒造り体験 取材報告  (by えつこ)

新潟県長岡市  吉乃川

第 20 話

 最後に会議室で「吉乃川」のモノ造りの姿勢として機械化は決して画一化のためではなく、安全と安心のためにするものであって、これからも手のぬくもりが感じられるような、こだわりを持ったお酒を提供していきたい。
 この価値でこの価格。価格マッチングの商品をすばやく、安全に、ローコストで供給できるように務めていきますと説明されました。
 約1時間のセミナーも終了し、皆で瓢亭に戻ります。外はあいかわらずの雪。3月ですから積もるほどではありませんがとても気温が低く、凍えるようです。
 瓢亭に戻るとテーブルの上に利き酒の準備がしてありました。
 でも私たちはまずストーブを囲むようにして暖を取ります。
 そして、作業着を着替え終わった人から随時、利き酒を始めたようです。
      
 ここからは、私の未熟な分野です。しばらく主人に代わります。
 まず最初のテーブルにはお酒のラベルが見えるように、きき猪口と一緒にお酒が置いてあります。
 左から順に1.厳選辛口、2.黒松吉乃川、3.極上吉乃川、4.米だけの酒吉乃川の4種類です。
 そして、次のテーブルには瓶を隠し、記号が書いてあるきき猪口が4種類並んでいます。回答用紙と鉛筆を受け取って利き酒開始です。
 1〜4までお酒の色を見て、香りを嗅いで、口に含んで味を確かめて、お酒を吐き出して鼻に抜ける香りを確かめます。
 そして隣のテーブルに移って共通の特徴があった猪口の記号を確認し、回答用紙に答えを書きます。
 慎重に香りからくるイメージや奥の方に隠れている香りも探します。
 味わいも性質や強さ、そして特徴を探します。
 これははっきりとした吟醸香。これは米の香りが印象的。フ〜ン、辛口の香りでスッキリしているけれど細い感じがする。辛口だけど先程のお酒より香りと味に幅があるようだ。

 お断りしておきますが、これはあくまで個人的な感想です。とにかくこんな感じで利き酒終了。
 ハイ、えつこにバトンタッチ。
 あとは別のテーブルに10種類くらい試飲用のお酒が準備してありましたので、めいめいが勝手にお酒を味見しています。
     
 そこに大杜氏の鷲頭さんが入ってこられて皆が終わったきき猪口のお酒を確認しています。
 きき猪口を右手の親指と中指、薬指の3本の指で軽く持ち、人差し指をちょっと立てるようにしてお酒をきいています。
 カッコイイ。絵になりますね〜。
 皆の準備も終わり、これから長岡駅前に移動して懇親会に移ります。長かった1日もようやく終わり。後は楽しい宴会です。
 参加者に加えて今日1日、つきっきりでお世話してくださいました高橋さん、佐藤さん、鷲頭大杜氏、それから、アレ?営業の平沢さんまでいるではありませんか。
 そして全員が揃うと、まるで待ってましたとばかりに、水を得た魚のように、おもむろに平沢さんが進行を始めています。
 まず最初に鷲頭大杜氏のご挨拶。
      
 続いて柏崎のお酒屋さんに乾杯の発声と、全然打ち合わせもないのにサクサクと進めていきます。お仕事の時とは大違い。(失礼)
 乾杯も済み、指しつ指されつ和やかに話が弾みます。そして、最後にきき酒の結果発表がありました。
 4種類全問正解者は2名。乾杯の音頭をとった柏崎のお酒屋さんと主人でした。鷲津大杜氏から賞品のお酒をいただいて楽しい1日が暮れていきました。ア〜ァ、楽しかったなぁ・・・
     
    …第20話おわり…

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