日本のワインのルーツを訊ねて 取材報告  (by えつこ)

山梨県勝沼町  メルシャン勝沼ワイナリー
        マンズ勝沼ワイナリー

第 2 話

 車はUターンし、甲州街道を西に向かい目的地は日本のワインのふるさと、勝沼市。そこのメルシャン勝沼ワイナリーへ到着しました。
   
 「猿橋」見学で時間をかけてしまったせいか既に予定時間に遅れてしまっています。いつもながら私たちの行動はのんきに後へ後へと伸びていきます。でもスタートしたばかりですが予約を入れている昼食に遅れるわけにはいきません。時間を短縮してでも間に合わせなければなりません。
 それではメルシャン勝沼ワイナリーの見学のスタートです。
 ここは事前に予約を入れないで、まったく一般見学として受付で申し込みました。その受付で「私たち、あまり時間がないのですが、見学にどれくらい時間がかかりますか?」と訊ねたら、「見学は15分。」とのこと。
 「えっ。たったの15分?」
 時間がない私たちは喜んでいいのやら、そんなことで充分に案内してもらえるのか不安になったり、何とも複雑な気分になってしまいました。
 そしてその後に無料試飲が出来るとのこと。う〜ん。これも大事。
 そして時間がある方は少し歩いていくと私たちの本当の目的の場所である葡萄酒資料館があるとのこと。う〜ん。これも大事。全部で1時間くらいかかるそうですが、どれも省くわけにもいきません。行ってみましょう。まっ、何とかなるでしょう。
 工場見学は午前9時から昼時間を除いて夕方4時まで。2〜7月は火曜休み。その他は無休です。見学料は無料でワインの試飲を含めて40分。工場内の受付で申し込めば誰でも見学できます。案内は30分ごとに始まり、工場内を一回りすると元の場所に戻ってくるようになっていて、そこで自由にワインの試飲が出来るようになっています。
 それでは見学のスタートです。
 案内嬢の自己紹介から始まり、工場の概要説明。そしてワインの原料から製造工程の説明があります。

 いよいよ工場に入ります。
 ワインには赤ワインと白ワインがありますが赤ワインは主に色が濃い紫色をした黒ぶどうを皮ごと使い、白ワインは色の薄いぶどうの果汁で造るということ。また、辛口と甘口の違いは辛口はぶどうの中の糖分を完全に発酵させてしまうと辛口。それに対して発酵を途中で止めてしまうと糖分が残るので甘口になると説明がありました。
 そして、これが発酵及び貯蔵タンクです。小さいものは6,606リットルから大きいものでは10,724リットルまであるそうです。一見、お化け缶詰か巨大なドラム缶みたいでしょう。発酵期間は約2週間だそうです。
    
 次は製造工程順から言えば逆ですがぶどうを搬入するためのベルトコンベアーとそのぶどうについている枝をとり、つぶすための破砕機です。赤ワインは通常、皮と果肉と果汁をそのまま発酵に使いますので全部まとめて発酵タンクに送られます。
しかし、白ワインは果汁だけを使いますので右の圧搾機で果汁だけを搾り発酵タンクに送られて行きます。
 ちなみにロゼワインは混醸法と言って赤ワインと白ワインを混ぜることによりロゼにしているそうです。たしかに本当のロゼワインの造り方は赤ワインの造り方から入って発酵途中で皮や種などを取り除くために手間がかかります。こちらは省力化タイプの造り方ですね。
    …第3話につづく…

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