初めての酒蔵見学 取材報告2    【by Etuko】

栃尾市 越銘醸株式会社

第 19 話

 このこしのつる大吟醸袋吊りは1年に一度、秋に発売になります。販売量が少なく一般にはほとんど出回らない商品ですがさすが地元ですね。
 その他には何か面白そうなものや特色のあるものはないかなあとチョロチョロと動き回る子供を追いかけながら探してみました。
 道の駅の売店には地元のお菓子屋さんの団子や和菓子、おまんじゅうやおせんべい、そして漬け物・・・・・・
 でも、やはりここは栃尾。オープン冷蔵庫の中に「あぶらあげ」がたくさん並んでいます。
    
 でも、道の駅の売店という特性からでしょうか、さすがに昔ながらの素朴な「あぶらあげ」だけを売っているわけではありません。いかにもお土産用として目先を変えた唐辛子をまぶした激辛のものや大きさの大小など、バリエーションもいろいろありました。
 そして、その中で目を引いたのがこの「いなり寿司(あぶらあげ寿司)」。
    
 普通の「いなり寿司」は1枚の「あぶらあげ」を半分に切って、その中に御飯を詰めて小さな俵のようにします。
 しかし、栃尾の「あぶらあげ」は大きいことで有名です。ここではその「あぶらあげ」を半分に切らずそのまま1枚使い、横に切れ目を入れて中にたっぷり御飯が入っているのです。
 まるで太巻きのサイズの「いなり寿司」なのです。ですから太巻きのように包丁で切って食べるようです。
 決しておしゃれというわけではありませんが、素朴な土地柄らしく、たっぷり食べなさいと言っているかのようですね。
 きっと、お腹が空いていたら迷わず買っている所ですが悩んだ末にまた今度にしようと決断しました。だって車の中には、あの大きな段ボール一杯の「あぶらあげ」があるのですから。
 帰り道では、もし、今回の「あぶらあげ」がおいしかったらまた買いに来れるように、その場所だけチェックするために回り道をしました。どうです、落ちはないでしょう。

 そこは越銘醸から栃尾市内を流れる川の上流方向に1キロくらいの場所にありました。店名は星長商店。
    
 きっと家族だけでやっているのでしょう小さなさなお店です。お店の入口を入るとすぐにお肉屋さんのような冷蔵ショーケースがドーンと正面を塞ぐように置いてあります。
 中には「あぶらあげ」とお豆腐とおからだけ。でもそれらの「あぶらあげ」には皆、紙に名前が書いてあります。ここにあるのは全て予約されているようです。
 こうしている間にも1台、車が止まり、予約の「あぶらあげ」をお買い上げ。
 人から聞いた話によると、「あぶらあげ」やお豆腐は、ほとんど午前中にはなくなってしまうらしいのです。ですからそれ以降に買いに行こうと思っている人は予約をしておいた方が良いと言うことです。だから私たちも事前に予約しておいたのでした。ちなみにここはおぼろ豆腐も人気だそうです。
「あぶらあげ」1枚130円(税込)
おぼろ豆腐(大)1個250円(税込)
うれしいことにおからはサービス
 住所は栃尾市大野町1-2-27
 TEL 0258-62-2292
 以上で「初めての酒蔵見学」シリーズを締めくくる越銘醸さんの報告も終わりです。4年前にこちらの蔵にお邪魔してから始まったこのシリーズですが、当店でお取引のある蔵元を一巡して、再度こちらの越銘醸さんに来てみて、4年前に何故主人がこちらの蔵元を1番最初の見学先に選んでくれたのか、わかったような気がします。小さな蔵ではありますが、最初から最後まで昔ながらの方法で、手抜きをせず、お客様に喜んでもらえるようなおいしいお酒を造るために、まじめに、そして丁寧に,仕事をしているんだということ。また、杜氏をはじめ蔵の人々は素朴で、人の良い方ばかりで何もわからなかった私にも親切に噛み砕いて説明してくださいました。4年が経過して、少しは酒屋の嫁らしく?なったかな?…と自分では思っております。それもこれも、私の勉強のために忙しい酒造りの仕事の最中に、時間をとって頂いた、蔵元の皆様のおかげです。この場を借りて、お礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
    …第19話 おわり…

第18話にもどる