初めての酒蔵見学 取材報告2    【by Etuko】

栃尾市 越銘醸株式会社

第 17 話

 実は今日のお昼は越銘醸の隣にある栃尾市唯一の洋食屋さんに行くことになっていたのでした。
 今回の蔵見学でお昼はどこで食べようかと思案に暮れていました。そこに主人が「若い頃、蔵見学をしたときに隣の古い料理屋さんで食べたスキヤキが忘れられないと言っていたことを思い出し、蔵元の担当の大崎さんにそこに行きたいのですが予約を入れておいてもらえますか?とお願いしました。蔵見学も大事、されど食べ物も大事。何と言ってもそれが私たち。
 しかし、もうそこは先代が引退し、若手が洋食屋をやっていると言うことで残念〜ということらしいのです。
 でもなかなかおいしいよということでそこに行くことにしていたのです。
 名前は池田屋。
    
 大きな看板もなくうっかりすると見過ごしそうです。
 中はそれほど広くはありません。テーブルは4つ。若いシェフとスタッフです。大崎さんがセッティングしてくれました。
    
 メニューはお任せでランチのようです。私たちは食べ物の好き嫌いはありません。出てきたものをありがたく頂きます。厚いロースハムが乗ったサラダ、お肉たっぷりのメンチカツ、スープ、豚肉のソテー、ライス、コーヒーとなるほどおいしいです。
    
 私たちの住む三条は和食のおいしいお店はたくさんありますが洋食屋が何故か少ないのです。まして、洋食レストランもたいしたことはありません。ですから久しぶりに洋食屋さんのランチを食べたような気がします。
 ここは栃尾の宝、是非今後もおいしい洋食を続けて欲しいと思います、
 さて、話は前後しますが、私たちの蔵見学をしている間中、子供の面倒を見ていてくれたのがこちらの大崎さんだったのです。

 日曜日にもかかわらず、私たちがしっかり蔵見学をして、勉強が出来るようにずーっと子供の世話をしてくれていたのでした。
 確かに、見学の最中、お米の浸漬の所では水切りをしているお米にさわりたがったり、大吟醸のタンクを覗き込んだりしているときにその回りを走り回ったり、しまいには応接室できき酒をしている時には中庭の2階にも届く高さの雪下ろしでできた山に登って叫んでいた様子を思い出し、いろいろお世話になりましたと慰労の意味をこめて話題を振ると、いやー、本当に栃尾の町中全部歩いてきたて、とおいしそうにビールをぐいっと飲んでいました。
 こちらも肩身の狭い思いをしながらおいしいランチを堪能したのでした。
 あー、おいしかった。どうもごちそうさまでした。
 昼食も終わり、気持ちもお腹もすっかり満足した私たちはとりあえず事務所に戻ってきました。そこで荷物を受け取ることになっていたのです。
 その荷物はというと、皆さん、ここは栃尾ですよ。栃尾といったら繊維が有名・・・・・だけではなく、私たちには栃尾といったら、そうです。「あぶらあげ」です。
 4年前に来たときに紹介してもらった「豆撰」も良いのですが、とにかく栃尾には自家製豆腐やあぶらあげを売っている小さなお店がたくさんあります。栃尾の食の名産品が「あぶらあげ」なのです。「あぶらあげ」を語らずして栃尾を語るなかれと私は言いたい。
 そこで私の情報網に引っかかってきたのが「豆撰」の軽くてサクサク食べられる「あぶらあげ」と対極をなす「星長商店」。豆腐の感触が残っていてどっしりとした「あぶらあげ」があると聞いて、直接電話してここに届けて置いてもらうように手配して置いたのです。どうですか。抜かりはないでしょう。これぞ食への執念。フフフ。
 事務所で挨拶をし、荷物は届いていますかと訪ねたら、ああ、そこに置いてあるよという返事。何?あの大きな段ボールの箱?そんなに頼んだっけ?まあいいや。
 お礼もそそくさとその大きな段ボールの箱を持つ主人を従えて車に戻りました。ウーン、満足。それでは帰路に、これで今回の取材はおしまい・・・・・・ではありません。
 今日はこの栃尾市の道の駅を会場に「遊雪まつり」というイベントが行われています。事前に大崎さんからその情報を仕入れていましたので、これからそちらに向かいます。
    …第18話につづく…

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