初めてのウイスキー蒸留所 報告記  (by えつこ)

山梨県白州町  サントリー白州蒸留所

第 5 話

 目の前が真っ暗。ここは山の中の一軒店。近所に何もありません。まるで富士山いやエベレストから突き落とされたような、打ちのめされた気持ちを胸に傷心の私たちはとりあえず今日の目的地のサントリー白州蒸留所に向かいました。国道20号線に出て少し走ると左側に「道の駅・はくしゅう」の看板。しかたなくそこでお昼を食べるために駐車場に車を止め、食堂の方へ歩いていくと何か看板が出ています。
        「定休日」。
ガガガガーーーーーーーーーン。
道の駅に定休日があるのです。まるで月から地球に突き落とされたような、胸に(お腹に)ぽっかり大きな穴が空いたような気持ちのまま今日の目的地のサントリー白州蒸留所に着きました。時間は午後2時。
 見学予約時間は2時30分ですからあと30分しかありません。途中で教養のための美術館見学とついでに「間欠泉」見学をしたり、道に迷ったりしたために大幅に時間をロスしたのです。もし、「翁」がやっていて、そこで昼食を食べていたらきっと遅れていたかもしれません。
 結果的に「翁」が休みで良かったのかもしれないと思い直して・・・でもお昼はどうするのかが問題です。国道20号線に出てからは途中にレストランや食堂がありましたが傷心の私たちは入りそびれてしまったのです。仕方がなく車の中でコンビニのサンドウィッチを食べて昼食にしました。知らない土地に行ったら時間に余裕を持って行動しないと食事を食べそびれることにもなりかねません。皆さん気を付けましょうね。
 気を取り直して続けましょう。
さあ、ここがサントリー白州蒸留所の出入り口です。




左に樽の飾りと看板。右にウイスキー蒸留器の目印があります。ここから正面奥に山を見ながら工場に向かいます。

 まるで普通の道路のような道がまっすぐ、はるか彼方まで続いています。
  
この道の奥に工場はあるのですがその様子は航空写真でお目にかけましょう。
   
奥にある山は甲斐駒ヶ岳をはじめとする南アルプスの山々。その麓の最も山に近い部分に白州工場はあります。工場近くの駐車場に車を止め、受付で予約名を告げて2時20分。
ぎりぎりセーフでした。10分後に案内するので別の集合場所に移動してくださいとのこと。
 ここは観光コースにも取り入れられているせいか大型観光バスも何台かあり、自家用車も結構止まっています。今も、大型観光バスが1台止まって赤い顔をしたおじさん達が大勢降りてきます。きっと車中で飲んでいたのでしょう。この人達はきっと団体コースで見学なのでしょうね。
 私たちは予約の時に業界人として個人的に研修の意味で案内してもらうために他の団体と別に2時30分のコースにセットしてもらっていますからどんな案内をしていただけるか期待して集合場所に向かいました。
 集合場所は工場内のゲストハウス正面にある案内看板の前。指定時間にその前に行くと、後ろから先ほどの赤い顔をしたおじさん達がぞろぞろこちらに来ます。案内のお姉さんに私たちの名前を確認されて看板の前で工場概要の説明が始まりました。
  
    …第6話に続く…

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