第4話

 3話であれだけお酒を飲んでいた彼らは、ますます調子づいて、いろんなアルコールに手を出し始めました。一方、私はこの辺で、ちょっと腹ごしらえをさせてもらうことにします。
 付き出しのがんもと、生ゆばだけで、ひたすらお勉強にいそしんでいた私は、ようやく食べ物に専念できそうです。
まず左手に持っているのが生桜エビです。乾燥させた物は、良く目にしますが、こちらでは生をポン酢でいただきました。歯ごたえがあり、磯の香りが新鮮さをものがたっています。そして、右手に持っているのが白子ポン酢。これが、まさに絶品!!本日の一押し!!生の白子なのですが、生臭さなどみじんも感じさせないすばらしい味。とにかく新鮮でプリプリ。甘さが口いっぱいに広がります。おいしすぎる〜!
 次に酒の肴の定番、焼き鳥。地鶏の皮とネックを注文。このお店は炭焼きも売りの一つだそうで、やわらかく、ジューシーな味は本物です。
 幸せ気分で食べていた私は、先程からカウンターの中でシューと蒸気を上げる蒸し器が気になり始めました。
お店の人に「何を蒸しているんですか?」と尋ねると、「シュウマイです」とのこと。もちろん、早速注文。出てきたシュウマイは、きんし卵で包まれていて、そのせいもあるのですが、茶巾寿司かと見間違えそうな程の大きさなのです。でも、ペロリンコ。
 それから、この時期にはやっぱり鍋は付き物ですよね。1人前からでもOKという鍋、種類も豊富です。私たちは2種類の鍋を注文する事にしました。
 先程食べた白子の味が忘れられなくて、1つは白子ちり鍋にしました。生でも十分いけるあの白子ですから、サッと湯がいてできあがり。う〜ん!やっぱりおいしい。尚一層、甘みが増したような気がします。そして、もう1つの鍋は、今年豊漁だというブリを使った、ぶり大根鍋。油ののったブリに甘めのお出しが絡み合い、おいしさを際立たせます。野菜もたっぷりで、一度に全部は鍋に入りきらないほどでした。
 ところで、彼らはというと……、
ホラホラ、飲んでま〜す。何か表情がすっかりなごんでいるでしょう。では、またまたお酒の方に戻りましょう。


 10種類もの日本酒を飲んだ後、彼らが次に挑んだものは、
 J十四代・GRACEFUL・優雅
  蘭引ワインリキュール(リキュール)
  蘭引酒をベースに
  スペイン産ぶどうのパロミノ種・
  ペデロヒメネス種・
  モスカテル種をブレンド
  フロール”花酵母”を使用
非常に甘い。花の香りとブランデーのようなくせのある香り。フーン…という感じ。
ちょっと、辛口コメントもIさんからあったり、決して評判は良くありませんでしたが、今日のところはこのくらいで。
 K十四代・蘭引酒(らんびきしゅ)
  ※蘭引酒…ランビックという蒸留機を使って造ったお酒
ウイスキーのような琥珀色。ブランデーのような香りと味わい。
カルアコーヒーリキュールの甘い香りによく似ている。くせがあり、好みがある。
 この2種類は「十四代」の名前に引かれて注文したのですが……「やっぱり十四代は日本酒がいいね。」というNさんのボソッと言ったご意見に、思わず一同ウンウンと、うなずいてしまいました。
  L爆弾ハナタレ  宮崎県高鍋
  芋焼酎  45度
芋の香りが良い。深みのある味わい。コクがある。ウワァー…。セメダインのような匂いがする。
  M宝山 阿利吉酒
         鹿児島県吹上
  芋焼酎  25度
芋のいやな匂いが、全くない。水のごとくサラッとしている。紹興酒のような上品な香り。花の香り。

 とりあえず、お酒の方も、ここまでくるともういいかな?と言う人が多い中。
「いろんなお酒を飲んだら、喉が乾いてきたので、僕、ビールを頼みますが皆さんいかがですか?」と言うIさんの言葉に、「好きなだけ飲めば!」とチョットみんなあきれ顔。
 ともあれ、最後の締めは、地鶏のせいろ蒸しご飯。鶏のそぼろと、炒り卵のいろどりも鮮やかなご飯は、とてもおいしかったです。
 宴会とお間違えの方も多いと思いますが、第2の視察場所はとても良い勉強ができました。東京の夜はまだまだつづきます。
       …第5話へつづく…

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