おしゃれな欧風ワイン蔵 取材報告  (by えつこ)

新潟県巻町  カーブドッチ ワイナリ

第 8 話

一方、白ワインの場合は主に皮の色が赤くない葡萄を使います。
   
この場合、赤ワインと違って赤い色素や渋味を出す必要はありません。そこで最初の除梗破砕機で白ワイン用の「マッシュ」ができたら撹拌タンクを経由せず、直接この圧搾機に運ばれ「マスト」とカスに分けられます。
   
この「マスト」だけが発酵タンクに運ばれ、発酵タンクの中で酵母を加えることにより発酵が始まります。
発酵タンクは最初に訪れた事務所のある建物の中に入っています。その発酵タンクのある部屋は直接壁が外部と接していなくて、ホールや事務所などタンクの部屋の周囲に他の部屋を配置する構造になっているそうです。
何故かって?発酵タンクのある部屋はもちろん空調も効いていますが、直接その壁が外壁ではない構造にしておくと外気温の急激な変化があっても中心の部屋の温度に影響が少なく、外が暑くても比較的内部の温度が涼しく保てるための工夫なのだそうです。
いよいよ、その部屋に行ってみます。   
部屋の扉を開けると銀色をした金属製の縦長の円筒形をしたタンクがたくさんあり、タンクは全て密閉式になっていましたました。
     
ちなみに小さいタンクでは1000リットル、最も大きな物で18000リットル。

全てのタンクを合計した最大貯蔵量は22万リットルだそうです。
   
説明を聞きながら、ちょうど私の腰の高さにある清掃口のふたが開いていたので、空のタンクの内部をパチリ。
   
タンクの内部を洗浄するときは、ここから人が入り、ちょうど車の洗車場の高圧水流ガンのような洗浄機を持って内部の洗浄をするそうです。
あれ?どこからか水の流れる音が聞こえてきました。少し先にある大きなタンクの上から水が流れています。
このタンクは今、中で発酵中のタンクで、発酵熱で温度が上がらないようにタンクの上部から水をかけ続けているのだそうです。
    
写真のタンクの上部に輪のような形をしたパイプが取り付けてあります。水はそのパイプからタンクの外側を伝って流れていました。
   
このタンクは白ワイン用の葡萄が入っていて、仕込開始から4日目のタンクです。最も発酵が盛んに行われている状態で、水をかけないとお風呂の温度くらいまで上昇するそうです。そこでタンクに水をかけ続け、温度を下げているのだそうです。ちなみにこのタンクの温度は28度になっていました。

    …第9話につづく…

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